本に学ぶマンション投資

めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った戦略的マンション購入マニュアル

めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った戦略的マンション購入マニュアル

中山登志朗 (著)

2011年4月21日発行

ここ10年ほどで自宅マンションを購入する際の評価基準は大きく変わってきました。以前は、マイホームは一生に一度の大きな買い物で終の棲家として購入される方が多くいましたが、今では、転職や転勤、リストラさえも他人ごとではない時代になり、ライフステージの変化に合わせて住環境を柔軟に変えられることがマイホーム購入の条件になってきています。そのようなトレンドに合わせて、買い替えを前提としたマイホーム選びの情報が巷間に溢れましたが、なかでも大きな影響を持っていたのが当時東京カンテイ市場調査部の主任研究員であった中山登志朗氏が提唱した購入法で、これから紹介する「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイが作った戦略的マンション購入マニュアル」は、その考え方を簡潔にまとめた著書になります。

戦略的マンション購入法とは

収入、年齢、家族構成が異なれば、マンションに求める条件は異なります。すべての人が満足する完全無欠なマンションは存在しませんので、快適な生活を送るには、結婚、子供の誕生や独立、老後などライフステージに合わせて住み替えを繰り返さなくてはなりません。そのためには、資産価値を重視したマンション選びが重要となります。それまで暮らしていたマンションに住み続けるのか、住み替えるのかを検討するには、購入した物件が値下がりしていないことが条件となるからです。

マンションの建物は耐用年数が決められている通り年を経過するごとに減価する資産ですので、一般的には、物件の資産価値は年々下がるものと思われています。購入時を頂点として、緩やかなカーブを描き毎年下落して耐用年数が終わるときに価値がゼロになるようなイメージだと思います。

しかし、たとえば、新築分譲マンションは、誰も住んだことが無い手付かずの部屋で暮らせる権利に絶対的なプレミアム価値があるので、同じエリアで同じ規模のマンションと比較すると価格に大きな差が生じることがあります。新築マンションであっても登記をした瞬間からマーケットでの扱いは築浅の中古物件になり相場価格で評価されるようになりますので、新築という価値に対価を支払ってしまうと資産価値が大きく下がってしまうこともあります。一方、中古マンションの場合、都心の利便性の高いマンションであれば時代を超えて人気が落ちることは無いため、購入金額とほぼ同額で売却できるどころか、購入時よりも資産価値が上がることもあります。

つまり、価格だけでは資産価値を判断することができないわけです。資産価値とは言い換えれば「そのマンションが将来どのくらい高く売れるのか」ということですので、値下がりの割合が大きいマンションは資産価値が低く、値下がりの割合が小さいマンションは資産価値が高いと言えます。そして、戦略的マンション購入とは、資産価値が高いマンションを購入することに他なりません。

資産価値の高いマンションを選ぶためのモノサシ

資産価値イコール価格ではないので、資産価値を見極めるには価格とは別の基準が必要です。本書では、著者が独自にマンションのデータを集計、算出し導き出した資産価値測定の指標としてリセールバリュー、マンションPER、マンションPBRが紹介されています。この三つのモノサシを使うことで、資産価値を重視したマンション選びができるようになります。

リセールバリュー

リセールバリューとは「新築マンションが築10年後にいくらで売れるか、その割合を数値化したもの」で、新築分譲価格を100とした時に10年後の売却価格をパーセントであらわした数値となります。直訳すると再販価値ですが、価格維持率と考えて問題ありません。例えば、新築分譲時の価格が3,000万円のマンションが、10年後の中古流通価格が1,500万円だった場合、リセールバリューは1,500万円/3,000万円=50%となります。

リセールバリューは3つの指標の中で最も重要なもので、資産価値そのものの数値と言っても過言ではありません。一般的にリセールバリューがどのくらいの数字になるかというと、本書で紹介されている2007年当時の首都圏の平均値は77.6%でした。(2019年7月に東京カンテイのプレスリリース(https://www.kantei.ne.jp/report/100RV_shuto.pdf)で発表された首都圏の平均値は91.4%。)リセールバリューは路線ごとに数値化されているので、別々のエリアのマンションの資産価値を数値で比較することができるようになっています。

リセールバリューは様々な要因でアップダウンしますが、最も影響があるのは下記の5つのポイントです。

1.エリア

都心六区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)エリアが突出して高く、都心から郊外へと離れるにしたがって低くなる傾向がありますが、郊外でも、川崎市幸区や千葉市美浜区のような都市開発が進んでいる地域は居住ニーズが高く資産価値が下落しない傾向があります。

2.駅からの距離

最寄駅からの距離は近いほどリセールバリューは高くなるので、80%台である徒歩6分圏内を意識する必要があります。

駅からの距離 リセールバリュー
徒歩3分以内 80.2%
徒歩6分以内 80.6%
徒歩10分以内 78.3%
徒歩15分以内 73.3%
徒歩20分以内 65.2%
徒歩21分以上 70.5%

3.坪単価

坪単価だけで見ると価格と価値が一致します。立地が良ければリセールバリューが高くなります。

坪単価 リセールバリュー
400万以上 91.0%
300万以上 89.7%
250万以上 87.5%
200万以上 77.2%
150万以上 70.4%
100万以上 63.6%
100万未満 53.0%

4.階層

マンションの階層構造、何階建てであるかは資産価値に影響があります。20階以上の高層マンションはリセールバリューが80%以上になります。

階層 リセールバリュー
40階以上 82.6%
30階以上 83.5%
20階以上 80.1%
15階以上 78.3%
10階以上 77.7%
5階以上 74.3%
4階以下 72.8%

5.総戸数

戸数規模が大きくなるほど共用施設が充実するので高くなる傾向があります。1階にスーパーマーケットや銀行が入っていたり、シアタールーム、ラウンジ、スポーツジム、温泉施設など生活が豊かになる施設が併設されていると資産価値の目減りは最小限になります。

総戸数 リセールバリュー
500戸以上 82.3%
300戸以上 81.7%
250戸以上 78.0%
200戸以上 68.7%
150戸以上 73.9%
100戸以上 73.7%
50戸以上 75.9%
50戸未満 77.9%

一点注意すべきは、200戸以上の落ち込みです。近年タワーマンションの流行で大規模化が進んでいるため、200戸程度のマンションだと共用施設が中途半端に感じられている可能性があります。

マンションPER

PERとはPrice Earnings Ratioの略で、「マンションを賃貸に出したときに何年で元が取れるかを表した指標」です。不動産投資家の方にはなじみ深い利回りに近い考え方ですが、見たい数字は還元率ではなく年数なので、マンション価格を年間賃料で割ることで算出します。

例えば、4,000万円で購入したマンションを15万円の家賃で賃貸に出した場合、4,000万円/(15万円x12カ月で180万円)=22.2になります。つまり、22.2年で元が取れるという指標になります。本書で紹介されている2011年当時の首都圏では24~25が標準値となります。PERは低いほど収益性が高いことを表しますが、PERが極端に標準値よりも高低に振れる場合、特殊な事情があると考えて間違いありません。

マンションPBR

PBRとは、Price Book Value Ratioの略で、「特定のエリアで新築マンションの価格に対して中古マンションの価格がどのくらいの割合であるかを表した指標」です。考え方としては、リセールバリューに近いものですが、過去10年間の新築分譲物件の価格と中古物件の価格を統計的に処理するので、地域全体の相場を把握するための数値になります。

例えば、本書で紹介されている例では、2011年当時品川の70㎡のマンションでは、10年平均新築マンション価格が4,838万円で10年平均中古マンション価格が6,642万円で、PBRは6,642万円/4,838万円=1.37になります。PBRが1を超えると販売価格よりも高く売却できる可能性が高いことを意味します。

マンション選び実践編

マンションを選ぶ際に、インターネットやカタログなどで物件情報を確認すると思いますが、資産価値のモノサシで評価できない情報は切り捨てる覚悟が必要です。まず目に入る写真、間取り図、CGやイラストレーションなどのイメージ図、設備など感情に訴える情報はスルーして、スペックが文字で表された物件概要だけをチェックします。物件概要は小さい文字でびっしりと書かれていますので、あまり詳しく見たことは無いかもしれませんが、概要さえわかればそのマンションの特徴はだいたい把握できるのです。

資産価値で重要なのは立地と建物構造なので、該当する所在(交通)、構造と戸数、専有(面積)の三箇所を抑えておけば問題ありません。
所在はマンションがどこにあるか、交通の便はどうかを表しています。エリアや駅からの距離は資産価値の観点では大きな比重を占める要素なので、路線図や地図のサービスなどを利用して正確に判断する必要があります。
構造と戸数は階数、総戸数が、専有は部屋の広さや間取りのタイプが書かれています。

物件概要をチェックして取捨選択ができたら、初めて内見やモデルルームに足を運びます。あくまで資産価値重視のマンション選びなので、将来いくらで売れるのかという視点をもつことが重要です。天井高やサッシの高さ体感的な部屋の広さ、新築分譲時にしか設置できないオプション設備など、誰もが価値を感じるポイントを重点的にチェックします。自分の好き嫌いではなく、物件のセールスポイントを冷静に確認していると、だんだんと資産価値の判断ができるようになります。

まとめ

本書は実需についての書籍ですが、マンションの評価手法は区分マンション投資においても有効です。特に、ファミリータイプのマンション投資においては、出口は実需層になることが多いので、購入される方が何を重視するかを把握しておくことは成功のカギを握ります。



めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った戦略的マンション購入マニュアル

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中山登志朗 (著)

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