本に学ぶマンション投資

マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく

マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく

スタイルアクト株式会社 沖有人 (著)

2012年12月11日発行

持ち家は負債という考え方は、不動産投資家の皆さまにはおなじみではないでしょうか。これは、ロバート・キヨサキが「金持ち父さん 貧乏父さん」の中で持ち家を評した言葉です。投資用不動産はキャッシュを生み出すのに対し、持ち家はただただキャッシュを浪費する象徴として扱われています。

しかし近年、その「持ち家」購入検討者の間では、自宅を終のすみかではなく、流動的な資産と捉えるムーブメントが起きつつあります。これは東京カンテイ等が推奨してきた持ち家の購入スタイルで、数年前から大手不動産ポータルサイトで数多く取り上げられてきました。今では、自宅購入の際に借入元本の回収率やリセールバリューを考慮する投資的なスタイルが一般的になっている印象さえあります。

そのような考え方を実践に移すための方法論をわかりやすくまとめたのが本書、スタイルアクト株式会社代表取締役、沖 有人氏の著作「マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく」です。不動産投資を検討・実践されている方も、いま実需層に確実に浸透してきている資産価値の高い不動産を評価するモノサシを知ることは、投資の参考になるだけでなく、不動産マーケットを把握するためにも有効です。

居住用不動産で資産を形成する理由

そもそも、賃貸であれ持ち家であれ、(実家住まいでなければ)自宅の住宅費は必ず支払う必要があります。本書では、せっかく住宅費を払うなら、そのお金で資産を増やせるのがベストな選択だと説いています。

しかも持ち家を購入することは国策で推奨されているので、投資用物件とは比べ物にならないほど税制や金利が優遇されています。家賃感覚でローンを支払うだけで、確実に資産を形成できるようになります。

勝ち組・負け組のマンション格差

本書では、自宅マンションを購入したAさんとBさんを例にして、違いが紹介されています。

Aさんは、頭金1,000万円で5,000万円の都内マンションを購入し、10年後に購入額と同等の5,000万円で売却しました。このお金でローン残債を支払ったら2,365万円が残りました。このうち1,000万円は頭金なのでそれを差し引くと1,365万円で、年136万円の配当があったことになります。Aさんは手元に残った2,365万円を頭金にして、さらに職場に近い高級マンションを購入し、住み替えることにしました。

一方Bさんは、頭金350万円で3,500万円の郊外のマンションを購入、10年後に自宅マンションを査定しました。査定額は、1,930万円。なんと1,570万円も値下がりしていました。ローン残債は2,075万円だったので、売却しようにも、ローン残債よりも査定額のほうが安く145万円のマイナスになるため、住み替えはあきらめるしかありませんでした。

これが、勝ち組Aさんと負け組Bさんのマンション格差です。

勝ち組になる割合は5割

本書によると、自宅マンション購入で得する人の割合は、5割。購入したマンションの良し悪しで勝ち負けが決まります。勝ち組は資産価値の高いマンションを購入して含み益を増やし、住み替えて収益を上げますが、負け組はBさんのように一生そこに住み続けるしかありません。

それでは、勝ち組になるためにはどんなアプローチが必要なのでしょうか。それは、「いつでも損せず売れるマンションを購入し、10年で買い換える」ことです。

なぜ10年で買い換えるべきなのか

ではなぜ10年で買い替えるべきなのでしょうか?本書には明確な根拠が記されています。

1. 住宅取得控除は10年で切れる

住宅ローン年末残高の1%にあたる所得税が還付される「住宅取得控除制度」。この有効期間は原則10年間です。期間中は還付金の上限は年40万円、10年間で最大400万円が戻ってくる計算になります(2019年6月現在)。10年後住み替えたときにこの制度が続いていれば、再度、この恩恵を受けられることになります。

(※消費税率10%で住宅を取得した場合、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居した場合は控除期間が3年間延長されます)

2. 10年固定金利は長期固定金利よりも低い

もし10年で買い換えることが事前に決まっていれば、10年固定金利が選べます。10年固定金利は長期固定金利よりも有利な金利でローンを組むことができます。

3. 新築の固定資産税は5~7年の間に減額される

新築の場合に限り、固定資産税(家屋分)は5~7年の間、二分の一に減額されます。

4. 大規模修繕を回避できる

大規模修繕は、一般的に、築10年~15年の間に行われます。その直前に修繕積立金が足りなることが判明し、いきなり修繕積立金が値上げされるケースはよくあるのですが、大規模修繕が行われる前に物件を売却できれば、この値上げを回避できます。

5. 築10年以下の物件には需要がある

中古マンションの購入にあたって一番重視される要素は立地、その次は「築年数」だといいます。著者が中古物件の購入検討者にアンケートをとったところ、築年数10年以内でないと許容できないと回答した割合は63%だったそうです。購入して10年以内に売りに出せば、販売できる層は大きく広がることになります。

以上をまとめると、税制面で優遇されるだけでなく、金利もお得。修繕積立金の値上げにも悩まされず、売却もしやすい。だから、10年スパンで買い替えるのがよい、ということです。

もちろん、結婚や出産、子どもの独立など、ライフイベントに応じて柔軟に住み替えられる、という点も理に適っています。(本書ではライフイベントに合わせて自宅を住み替えていくことを「住宅すごろく」と呼んでいます)

自宅マンションを資産に変えるには

本書では「マンション選びは3W1Hが重要」としています。いつ(When)、どこに(Where)、どんな物件を(What)、いくら(How Much)で買うべきなのでしょうか?

いつ

同じような条件で、新築価格と中古価格に大きな乖離がある場合、新築マンションを購入するのは得策ではありません。逆を言えば乖離がない場合、買い時となります。

新築マンションの価格は、デベロッパーの土地仕入れ価格に大きく左右されます。デベロッパーは土地を仕入れなければ開発事業の展開ができないので、市場価格よりも高い金額で仕入れざるを得ないケースもあります。そのような物件は、売却時に改めて中古市場の相場価格で評価される際に、大幅な値下げを余儀なくされます。

どこに

マンションは立地、特にエリアと駅アクセスが重要です。エリアにおいては、都心を選んで「職住近接」による利便性の高さを優先させると値下がりはしづらい傾向にあります。

どんな物件を

総戸数が多く(200戸以上)、階数が高く、面積も広い物件は、そう値下がりすることはありません。つまり、面積は最低限70㎡以上の大型タワーマンションが底固く、購入価格よりも売却価格のほうが高くなる確率は高いといえます。

価格帯が6,000万以上の物件は、その割合が6割以上となります。

いくらで

新築マンションの分譲価格が適正とは限りません。自宅マンション購入で利益を上げるなら、適正価格以下で物件を購入する必要があります。たとえば、価格設定を誤った物件を買うか、相場が安い時期に買えば可能性は高まります。

なお著者が立ち上げたウェブサイト「住まいサーフィン」では、物件ごとに新築マンション時価が確認できます。

不動産は買いやすい価格のマンションが選ばれがちです。しかし資産性を重視するなら、できるだけ価格面では背伸びをすべきです。しかし一方で、ローン返済額は年収の25%以下に抑えないと破綻する恐れがあるので、慎重に選択する必要があります。

まとめ

本書は持ち家購入にフォーカスしているので、複数の不動産を購入・運用し、より多くのリターンを得ようとする不動産投資家には向きません。ですが、不動産投資にご興味をお持ちの皆さんには、本書の考え方は受け入れやすいのではないでしょうか。

なお最後に注意事項が一つあります。本書が発刊されたのは2012年12月、東日本大震災が起きてから2年弱というタイミングです。今振り返ると、発刊当時は買い時だったことは間違いなく、現在と当時では明らかに相場が違うことを申し添えておきます。



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