本に学ぶマンション投資

マンションを相場より高く売る方法

マンションを相場より高く売る方法

風戸裕樹・吉川克弥 (著)

2013年5月25日発行

賃貸収入ばかりが注目されがちなマンション投資ですが、売却したときのことを考える視点は非常に重要です。投資である以上は、最終的な利回りは売却時の価格で決まるからです。

それでは、物件を高く売るにはどうすればよいのでしょうか?今回ご紹介する「マンションを相場より高く売る方法」にそれを実現するための「パートナー選び」のノウハウが中心にまとめられています。

著者は、かつて株式会社不動産仲介統計化フォーラムを経営していた風戸結樹氏と吉川克弥氏。売主の立場に立ち、相場より高く売ることを目指した、ユニークな不動産仲介事業を展開していました。(2013年にソニーに事業は売却)

本書は自宅マンションの売却が前提となっていますが、個人がマンションを高く売ることを目的とした本なので、投資用不動産の売却でも参考にできる内容です。

一般的に、マンションを売却する場合、不動産仲介会社に売却活動を委託することになります。自分のマンションを高く売ってくれる不動産業者を見極めることが、マンション売却では重要です。ここでは、本書が掲げるマンション売却成功3か条を挙げ、順に解説します。

1. 査定価格に一喜一憂しない

マンション売却を検討する際、売主が最初に行うのは物件の査定です。不動産仲介会社に直接問い合わせたり、一括査定サイトに登録したりして依頼することになりますが、ここで一番重要なことは「査定価格はあくまで参考価格」と理解することです。

多くの不動産会社では、築年数や駅からの距離など、チェック項目にポイントをつけ、その点数をもって査定をしています。また過去の取引事例や、営業担当者の経験、感覚知などが加味されるケースも多いです。

しかし実際には、不動産価格は常に現時点の競合情報に左右されるものです。これを反映しない査定は参考価格の域を出ません。特に「以前このマンションの売却価格はこうだった。築年数も経過しているのでこの価格になる」と話すだけの営業担当者は信用しない方が賢明です。

また、根拠なく相場よりも高い査定額を提示する会社にも注意が必要です。その会社が提示した査定金額で物件を買ってくれるわけではないので、その価格で購入する買い手が現れる保証はありません。もしかしたら、高値を提示して契約まで持ち込んで、その後に価格を下げる交渉をする算段かもしれません。

後悔しない物件売却を実現するには、売主が物件価格を決めるしかありません。自分で不動産のマーケットを調べて、競合物件と比較して、自分の物件がいくらなら売れるのかを調べるべきです。インターネットで自分の物件と似た物件をいくつも調べれば、相場は把握できます。それでも情報が足りないなら、査定を頼んだ会社に必要なデータを提供してもらうこともできます。

売却で最も失敗するのは、不動産会社や営業担当者に頼りきりになることです。自分で適正な物件価格を判断し、広告を出し、売却活動をして、ダメなら価格を下げればよいのです。

2. 依頼する会社や担当者を見極める

マンションを高く売るには、不動産業者の姿勢と、営業担当者の資質を見極めることが大事です。それには、まず不動産会社のスタンスを理解する必要があります。

高く売りたい売主と、早く売りたい不動産会社

そのためにまず知っていただきたいのは、「不動産会社が報酬を受け取る仕組み」です。不動産仲介の会社が、報酬を受け取るパターンは大きく分けて二つあります。

  • 売り手と買い手、双方から手数料を受け取る、「両手仲介」
  • 売り手と買い手、どちらか一方から手数料を受け取る、「片手仲介」

仲介手数料は、成約価格の3%+6万円が上限となっており、大手企業を含めてほとんどの会社が割引をしません。たとえば4000万円で成約した場合、120万円+6万円(税抜き)が手数料となります。不動産会社が「両手仲介」をした場合、この手数料を売り手と買い手双方から受け取れることになり、報酬は2倍の252万円(税抜き)になります。

そのため多くの不動産会社は「両手仲介」を狙います。ですがこの「両手仲介」、売り手にとっていいことはありません。

営業担当者は、他の不動産会社が買い手を見つけてきたら手数料を2倍受け取れないので、「早く自社で買い手をつけて売りたい」と考えます。

そのため、意図的に他社に情報が行き渡らないようにしたり、たとえ価格が安くなっても自社の顧客を優先させたりすることがあります。その結果、売却価格は安くなってしまいます。

売り手は少しでも高く売りたいものですが、不動産会社とは利害が一致しないことが往々にしてあるのです。(もちろん全ての会社がこのようなスタンスではありません)

こんな場合は注意

では、どのような営業担当者、どのような会社は避けるべきでしょうか。以下より具体的に挙げていきます。

過去事例や特定顧客だけの話しかしない

まず、先ほど紹介したように「過去の事例や築年数による価格低減」を理由に査定をする営業担当者は要注意です。過去実績や経年で価格は決まりません。

また「この物件を買いたいお客様がいる」と言ってくる営業担当者も同様です。購入検討者がいたとしても、その人が最も高い価格で買うとは限りません。もし顧客を引き合いに出してきた場合には、一番高く買う人だという根拠を示してもらいましょう。

仲介手数料無料

仲介会社なのに手数料をとらないということは、売り手から手数料を取らずに買い手から報酬を得る、ということです。この場合、他の会社が買い手を見つけないよう、不動産のプロ向け物件売買情報システム・レインズに物件情報を載せずに、自社顧客に価格を下げて売却するケースが考えられます(「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」を締結した場合、不動産会社は必ずレインズに登録し、売主に対して営業活動状況を報告することになっていますが、この場合それを無視している可能性があります)。

手数料無料なら売主の手数料は0円ですが、その代わり売却価格が大幅に低くなる恐れがあります。適切な広告活動ができて、最も高く買う顧客に販売できれば、手数料分は上乗せできるものなので、手数料無料は得とは言えません。

「このマンションを探している方がいます」チラシに注意

「お客様がこちらの物件を探しています」というチラシをご覧になったことがあるなら、その会社も注意しましょう。過去の顧客データを誇張していることが多くあります。これに反応した場合、売却を急いでいると思われて、安く買い叩かれる恐れがあります。

よい営業担当者とは

それでは、よい営業担当者はどのように見分けるべきでしょうか。よい営業担当者は、売り手が高い金額で物件を売却できるよう、売却戦略をきちんと考えます。売り手の物件の「今」の相場を知ろうとしますし、買い手となりうる人の動向を探ろうとします。

たとえば、売り手の物件が人気エリアから外れていれば、学区内で物件を探している人をターゲットにするのが定石です。ターゲットが絞られたら、学区内でポスティングやオープンルームを開催するなど、効果的な活動ができます。

これを見極めるためにも、営業担当者には以下の質問をしてみるとよいとされています。

  • どんなときに価格を下げるのか
  • この物件のターゲットはどんな人か
  • 広告活動は何をしてくれるのか

営業担当者が売り手の立場に立って少しでも高く売ろうとしているならば、上記の質問にも納得のいく回答ができるはずです。もちろん、きちんとコミュニケーションが取れる、専門用語ばかりを用いて煙をまくなどしない、など基本的な対応が出来る、などは言うまでもありません。

3. 売れないときは販売戦略を確認する

一度契約を結んで、売却活動を任せた会社が「売れないので価格を下げましょう」と言ってきたとします。「ここに任せていいのか?」と不安になったとき、どうすればよいでしょうか。そのときは適正な売却活動をしているかチェックすることが重要です。本書では具体的チェックポイントがピックアップされています。

広告活動はきちんとしているか

専任媒介契約もしくは専属専任媒介を結んでいれば、不動産会社は1週間ないし2週間に一度、営業活動の内容を報告する義務があります。

大手不動産会社のサイトへの掲載

  • 三井のリハウス
  • nomu.com
  • 東急リバブル
  • 住友不動産
  • 三菱地所ハウスネット
  • 等々

少なくとも二つ。

大手ポータルサイトへの掲載

  • SUUMO
  • LIFULL HOME’S
  • Ouchino
  • Yahoo!不動産
  • 等々

少なくとも二つ。

レインズへの掲載

専任媒介契約の場合、契約後7日以内にレインズに登録する必要があります。販売を委託している会社から登録証明書を受け取ってください。また、図面の掲載のチェックは必ずしてください。図面が登録されていたら「登録・有」と記載されます。

売出中マンションや、近隣賃貸マンションへのポスティング

少なくとも2回以上。

近隣の不動産会社にファックスDM

少なくとも2社以上。

マイソク(物件広告)の作成

情報に不足が無く、写真などを使って十分に物件の魅力を伝える必要があります。

物件の状態は充分か

  • 部屋はきれいにクリーニングされているか?
  • 買い手の意欲が下がる状態で内覧を受けていないか?

営業担当の対応は充分か

  • 現在の価格で売れない原因を教えてもらっているか?
  • 周辺事例の最新情報を教えてもらっているか?
  • 売出し当初と現在の状況の違いを教えてもらっているか?
  • 競合物件の状況と自分の物件の違いを教えてもらったか?

チェックしたら不安が増してきた…そんな場合は、媒介契約は3ヶ月経てば自動で切れ、それより短くても契約は双方合意であれば書面を取り交わして解消することができます。

まとめ

不動産会社と売主は、必ずしも利害が一致するわけではありません。売主がマンション売却を成功させるには、信頼できる不動産業者、営業担当者を選ぶだけではなく、自分でも適正価格の調査を行って、主体的かつ慎重に行動・決断することが必要です。



マンションを相場より高く売る方法

マンションを相場より高く売る方法

風戸裕樹・吉川克弥 (著)

2013年5月25日発行

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